2000.11.29 更新
9月5日より、毎週火曜・水曜深夜2:00-3:00、NHK教育(ETV深夜館)で再放送(終了)
ご覧いただき、ありがとうございました。引き続き以下の特設ページは更新します。
9/ 5 #1「水の惑星・奇跡の旅立ち」#2「引きさかれる大地」(地球大紀行)
9/ 6 #3「残されていた原始の海」#4「奇岩にひそむ大気の謎」(地球大紀行)
9/12 #5「巨大山脈の誕生」#6「氷河期襲来」(地球大紀行)
9/13 #7「多重バリアーが守る生命の星」(地球大紀行)#8「海からの創世」(生命・40億年はるかな旅)
9/19 #9「進化の不思議な大爆発」#10「魚たちの上陸作戦」(生命)
9/20 #11「大空への挑戦者」#12「昆虫たちの情報戦略」(生命)
9/26 #13「ヒトがサルと別れた日」#14「奇跡のシステム”性”」(生命)
9/27 #15「地球と共に歩んで」(生命)#16「生命誕生」(人体)
10/ 3 #17「しなやかなポンプ」#18「消化吸収の妙」(人体)
10/ 4 #19「なめらかな連係プレー〜骨・筋肉」#20「生命を守る〜免疫」(人体)
10/10 #21「はるかなる宇宙への夢」#22「はるかなるET」(銀河宇宙オデッセー、他)
10/11 #23「わが太陽系」#24「ブラックホール」(宇宙)
10/17 #25「超新星爆発」#26「超銀河団」(宇宙)
10/18 #27「母なる宇宙」(宇宙)#28「火山」(*地球環境)
11/ 7 #29「地震」(*)#30「資源を産んだマグマ噴出」(地球大紀行)
11/ 8 #31「巨木の森 大地を覆う」#32「移動する大砂漠」(地球大紀行)
11/14 #33「河川〜大地をめぐる水」(*)#34「めぐる生命の輪」(海)
11/15 #35「クジラだけが知っている」#36「眠る巨大資源」(海)
11/21 #37「深層海流二千年の大航海」(海)#38「縄文」(*)
11/22 #39「島 〜小さな地球」(*)#40「地球と生命の関わり」(*)
地球博士:濱田 隆士さん(放送大学教授・福井県立恐竜博物館長)、さくら:上原さくらさん、ポキート(声):松井菜桜子さん。
人体博士:小出 五郎さん(NHK解説委員) 宇宙博士:高柳 雄一さん(NHK解説委員)
*各回の要旨
#37「深層海流二千年の大航海」(Nスペ「海」)11/22 2:10-2:40 再放送
地球は太陽からの熱を受けていますが、その熱の供給は赤道地方と極地方で大きな差があります。その差を埋めるように、大気の流れや海流、そして水蒸気のもつ潜熱という3つのかたちで、暖かい赤道地方から冷たい極地方へ熱が運ばれています。
表層の海流は熱を運ぶ役割の点で、大気の流れと共に重要なはたらきをしています。海沿いの地方が冬は温暖で、夏は涼しいのも、海流によって運ばれる海水の保温効果のおかげです。
近年、深さ数千m〜1万mもの深海に、ごくごくゆっくりとした海水の流れがあることがわかってきました。その流れは、決まった方向を持ち、約2000年で一周する循環をつくっています。この深層水の循環が気候の安定化に重要な役割を果たしていることがわかってきました。
過去の気候を知る重要な手がかりが、グリーンランドの氷床を打ち抜いた、ボーリングコア資料から得られています。そこには氷期の激しい気候変動や、ヤンガードライアス期と呼ばれる約13000年前の寒冷期の記録が閉じこめられていました。
融解し、縮小する大陸氷床が残した大量の淡水が、密度が低いために北大西洋の深層への沈み込み口を覆い、そのために深層循環が停止し、北米やヨーロッパでは氷期に逆戻りしたような気候を一時的に経験したと考えられています。
最終氷期が終わってから、過去約1万年の間、全体として地球は温暖な環境を維持してきました。深層海流の流れは、安定した気候条件を維持するために、きわめて重要な役割を果たしていたのです。
#38「縄文 〜文明を支えた穏やかな気候」 11/22 2:40-3:10 再放送
最終氷期の終了、そしてヤンガードライアス期の寒冷化を経て、約1万年前頃から急速に地球表層は温暖化が進行しました。われわれ人類の発展は、約1万年前を境とする気候変動−氷期からこの温暖な間氷期への移行−に秘密があると考えられます。
寒冷な氷期には、海水が蒸発して雪として降ったものが、巨大な氷床をつくって陸上にたまり、そのため海の水位が低下しました。氷期を通じて海面は現在よりも低く、約19000年前の最盛期には、現在よりも約130mも低くなったと考えられています。
このため、現在海面下にある、大陸棚とよばれる浅い海のかなりの部分が露出し、人類や動物の行き来を可能にしていました。日本列島は中国や朝鮮半島と陸続きになり、さまざまな動物が渡ってきました。化石として発見されるナウマン象やマンモス、オオツノシカなどの他、洞穴堆積物からはトラやライオンの仲間も発見されています。
ユーラシアと北米をつなぐベーリング海も陸化しました。アフリカに起源を持つと言われる人類は、氷期を通じて各地に広がっていきましたが、約1万2000年前にはベーリング海地域を踏み越え、わずかな人数が北米の2つの氷床のすき間を通って、その後数を増やし、南北アメリカ大陸に急速に広がっていきました。
それと時をほぼ同じくして、北米及び南米に分布していた、大型哺乳類の多数が絶滅したことがわかってきました。その原因には、気候変動だけではなく、人為的影響があった可能性が指摘されています。
番組前半で、これらの絶滅動物を紹介し、そこに関わる人間活動の圧力について、スタジオで解説します。
日本では、氷期の終了と共に遺跡が急激に増加し、さまざまな人類活動の痕跡が読みとれるようになり、それらは縄文文化と呼ばれています。近年、三内丸山遺跡を初めとする新しい発見が相次ぎ、縄文文化に対するイメージは変化を迫られることになりました。
番組後半では、三内丸山遺跡での大規模な構築物や集落の存在、高度な技術を要する工芸品、DNA分析から示唆されるクリ栽培の可能性などを紹介します。また、集落の衰亡と気候変動との関わりについても考察します。
#39「島 〜小さな地球」 11/23 2:10-2:40 再放送
周囲を海によって隔てられた島の陸上生態系は、隔離の効果による進化の実験室として、興味深く貴重な存在です。かつてダーウィンはビーグル号でガラパゴス諸島を訪れ、その生物の観察を彼の進化論を組み立てる上での材料にしました。
島の生態系は、限られた資源をいかにうまく使い、環境に適応するかという生きものたちの戦略がよくわかります。それは有限の地球に住まう人類にとっても、何らかの価値を見いだせるものかもしれません。
番組ではVTR1でガラパゴス諸島の生物たちを、VTR2で南西諸島の生物たちを紹介します。
#40「地球と生命の関わり」 11/23 2:40-3:10 再放送
VTR1で、太陽からの光や熱が、地球の生命や、水、大気の動きのシステムのエネルギー源であることをおさらいします。
今回は、化石燃料のできかたを学びながら、これまでの内容をふまえて人間と自然との関わりを見直し、循環型社会の必要性を考えます。
VTR2では、石油及び石炭のできかたを映像と図を使って解説します。陸上植物の出現に見るような、生命や生態系の進化と、大陸移動に現れる地球のダイナミックな動きとが、これらの化石燃料をつくる上で重要であったことを学びます。
最終回ということで、地球博士のメッセージや、さくら&ポキートの2年間の学習を通しての感想も最後に述べられます。
過去の放送分については、NHK学校放送の特設ページを参照ください。
ジュニアスペシャル99 「宇宙」編 #21-#27 「銀河宇宙オデッセイ」などから
ジュニアスペシャル99 「地球環境」編 #28-#40 「地球大紀行」「海」その他から
この番組に関しての質問がありましたら、お送りいただければできる範囲でお答えいたします。 (私はこの番組の制作部門の裏方をしていました。)