萩谷 宏
風速10mの風が吹いていると、時速36kmですから、1日で1000km近い距離を動いてしまいますね。また、気体分子は熱運動で平均毎秒数百mという速度で飛び回っていますから、容易に混合が起きそうですよね。
おならがぷっと出て、臭うまでの時間を考えると、・・・。
2)生物の酸素の生産・消費量は、大気の全体量に比べて(時間スケールをよほど長く取らない限り)ごくわずかでしかない。
大気圧がだいたい1平方センチあたり1kgかかっているわけですから、地表の1平方センチあたり200gの酸素が大気にはあるわけで、1平方メートルあたりでは、2トンもの量になります。生物の生産・消費はどのくらいだったかな。
地球上の全生物を構成する炭素の量は、3×1014kgだそうです。これをすべて燃やして二酸化炭素にすると、1.2×1015kg。ですからほぼ1015kgの酸素を消費するわけですが、地球の表面積は5×1014平方メートルですから、平方メートルあたりではたった2kgの酸素があればいいわけです。地球上の全生物を仮に燃やしてしまったとしても、大気中の酸素の1/1000しか消費しないわけですね。(計算合っているかな?)
直観的にはこれでいいのではないかと思います。もっとも、生物の呼吸と光合成による炭素のやりとりが非常に速い速度で行われるなら、この話は意味がなくなる(滞在量と流量は違うので)のですが、たぶん大丈夫でしょう。
いま調べましたが、地球の大気中の酸素の見積もりは、1.2×1018kg二酸化炭素の量は、6.4×1015kgのようです。ただし、二酸化炭素は海水中に、大気よりもたくさん溶け込んでいるようですので、注意が必要です。
(参考:「大気のおいたち」秋山雅彦著・青木書店1987)
それと、蛇足ですが、
3)砂漠では光合成による酸素の生産は少ないが、生物の呼吸による酸素の消費も少ない。
ということも言えるのではないかと思います。