NHKジュニアスペシャル 第27回「母なる宇宙」VTR台本 PD:紀平


VTR1

超新星爆発〜巨大な星の死 7'28"/11'51"

 
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│ 2 VTR:クエスチョン1〜膨張する宇宙の大構造                                                    │ 
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│・夜空パン                                │Q 人類は、宇宙の謎を解くために、次々と新しい観測の方法を  │ 
│                                         │産みだしてきました。                                      │ 
│・ガリレオの望遠鏡                       │Q レンズの口径4センチ。1609年、ガリレオ・ガリレイが、  この小│ 
│・ガリレオ肖像画、ワイプイン                 │さな望遠鏡を、世界で初めて木星に向けました。              │ 
│・ガリレオの観測図                       │Q ガリレオが描いた木星の観測図です。地道な観測の結果、木  │ 
│                                         │星の回りを4っつの星が回っていることを発見しました。      │ 
│                                         │  それならば、太陽の回りを地球が回っていても不思議はない。  │ 
│                                         │そう、ガリレオは考えたのです。                            │ 
│・ハーシェル肖像画                         │Q その200年後、ウイリアム・ハーシェルは、口径50セン  チのこ│ 
│                                         │の望遠鏡で、星をひとつひとつ丹念に記録しました。  その結果、ハ│ 
│                                         │ーシェルは、太陽も夜空にきらめく星のひとつに  過ぎないと考えた│ 
│・星図                                   │のです。                                                  │ 
│・大型望遠鏡                             │Q その後も、望遠鏡はどんどん大型化し、性能も上がり続けて  い│ 
│                                         │ます。                                                    │ 
│・ハッブル宇宙望遠鏡                     │Q 現在では、望遠鏡を大気圏の外に打ち上げて、詳しく天体観  │ 
│                                         │測ができるようになりました。また、天体が出す赤外線、電  波などを│ 
│                                         │見ることで、より遠くの宇宙の情報もわかってきて  います。  │ 
│                                         │  観測技術の進歩によって、宇宙の姿が次第に明らかになって  │ 
│                                         │きたのです。                                              │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │Q 最も大きく見える恒星、太陽。地球から1億5千万キロの距  離│ 
│・太陽                                   │にあります。地球は、この太陽の回りを回る惑星です。   火星、木│ 
│                                         │星、土星など、地球を含めた9個の惑星が、太陽を  中心に回転して│ 
│                                         │います。そして、それを全部ひっくるめて太  陽系と呼びます。│ 
│・地球→惑星いろいろワイプ                 │Q この巨大な太陽系も、実は2千億を越す星が集まった銀河系  │ 
│                                         │の一部に過ぎません。そして太陽系は、この銀河系の中心の  回り│ 
│              →太陽系DVE│を回転しているのです。                                    │ 
│・銀河系ズームバック                     │Q さらに、私たちの銀河系の様な星の集団、銀河は宇宙に何と  2│ 
│                                         │千億近くもあると言われているのです。                      │ 
│                                         │                                                          │ 
│・銀河群                                 │                                                          │ 
│・遠ざかるイメージCG                   │                                                          │ 
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│ 3 スタジオ:クエスチョン1つづき→アンサーVTR1                                                │ 
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│・下手モニターこみ2S                   │ポキ  さて、ここで問題です。今そちらに映し出された映像は、地球から1  40億│ 
│                                         │光年離れた銀河の姿です。宇宙が誕生した頃に生まれた銀河であ  ろうと言わ│ 
│                                         │れています。この銀河をとらえたのは〜                      │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │ポキ なかなか、やるじゃないですかぁ・・・                 │ 
│・タイト2S                             │サクラ あったり前でしょ!私をひっかけようなんて考えずに、もっと手応え  のあ│ 
│・サクラ1S                                │るクイズ出しなさいよね!                                  │ 
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│<アンサーVTR1>〜DVE             │                                                          │ 
│・地球→星 ノルマル                     │Q 140億光年といえば、光が140億年かけて地球に辿り着  く距│ 
│                                         │離のことです。すなわち、今、地球で見えるこの銀河は、  140億年│ 
│                                         │前に輝いたものなのです。                                  │ 
│・150億光年離れた銀河                 │Q 私たちは、遠くの銀河を観測することで、宇宙が誕生して間  も│ 
│                                         │ない頃の情報を知ることができるのです。                    │ 
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│・2S                                   │サクラ ねえポキート、もっと手応えのあるやつ出してくんない? │ 
│                                         │ポキ(意味ありげに)わかりました!次はちょっぴり難易度をあげましょう!  ある重│ 
│                                         │要な発見に関するクイズです。                              │ 
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│4 VTR:クエスチョン2〜超新星爆発をとらえた観測技術                                             │ 
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│・夜空                                   │Q 1987年、南半球の夜空である大事件が起こりました。  │ 
│                                         │  地球から16万光年彼方で、太陽の20倍以上という重さの  ひと│ 
│                                         │つの巨大な星が死を遂げたのです。「超新星爆発」です。      │ 
│                                         │(SE:爆発)                                              │ 
│                                         │                                                          │ 
│・超新星爆発                             │Q ではこの巨大な星の生涯を辿ってみましょう。            │ 
│・青い星の内部へCG                     │Q 生まれたばかりの星の内部です。水素の原子核が結びついて  │ 
│                                         │ヘリウムの原子核へと変化する核融合反応がおこっています。  │ 
│・核融合反応、CG                       │Q 核融合反応とは、このように原子核が結びついて、新たな原  子│ 
│・水素→ヘリウム(ノルマル)             │核が生まれることを言います。                              │ 
│                                         │Q そしてそのときに生じるすさまじいエネルギーが、星を輝か  せ│ 
│                                         │ているのです。                                            │ 
│                                         │(SE:輝き)                                              │ 
│・青い星輝くCG                         │Q 星が成長すると、内部での核融合反応が進み、中心の水素を  │ 
│・水素→ヘリウム(たまねぎノルマル)     │使い果たして、今度はヘリウムが核融合反応を始めます。す  ると星│ 
│・赤く膨張するCG                       │全体が膨張し、赤くなります。                              │ 
│・さらなる核融合反応                     │Q ヘリウムは酸素や炭素に変わっていきます。核融合反応がさ  ら│ 
│・内部構造(たまねぎノルマル)           │に進むと、酸素や炭素は、ネオンやマグネシウムなど、ま  た別の物│ 
│                                         │質へと変化していきます。そして、最後には、それ  以上、核融合反│ 
│                                         │応をおこさない鉄ができあがります。                        │ 
│・星内部核融合CG                       │Q やがて鉄の中心部は潰れて、鉄の原子核が壊れ、中性子と呼  │ 
│                                         │ばれる小さな粒のかたまりに変化します。                    │ 
│・中性子星                               │Q それと同時に、すさまじいエネルギーを秘めた衝撃波が星の  │ 
│                                         │表面に伝わっていきます。                                  │ 
│・爆発                                   │Q そして一気に星を爆発させるのです。                    │ 
│・星写真                                 │Q 巨大な星の死、「超新星爆発」です。                    │ 
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│5 スタジオ:クエスチョン2つづき→アンサーVTR2                                                 │ 
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│・ポキート1S                           │ポキ ここで問題です。超新星爆発は、我々生命とは切っても切れ  ない  重│ 
│                                         │要な関係にあります。それは何でしょう?                    │ 
│                                         │サクラ(へた演技)うう、わかんない!何だっけ!うううん、     │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │ポキ 何だわかってんじゃないですかぁ・・・                 │ 
│・サクラ1S(モニター消す)                │サクラ こ〜んな重要なこと、私が忘れてるわけないでしょ!     │ 
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│<アンサーVTR2>〜DVE             │                                                          │ 
│・新たな星の誕生CG                     │Q 水素、酸素、炭素、鉄。超新星爆発によって宇宙にまき散ら  さ│ 
│                                         │れた様々な物質は、ガスやちりのかたまりをつくり、その  中に濃い│ 
│                                         │部分ができます。                                          │ 
│                                         │Q そして、その濃くなった部分が重力によって収縮してかたま  り、│ 
│                                         │新たな星となるのです。太陽や地球もそうして生まれま  した。│ 
│                                         │Q 超新星爆発は、ひとつの巨大な星の死であるとともに、太陽  や│ 
│・地球、自然、生命など                   │地球、そして、今の私達へとつながる、生命の出発点でも  あったの│ 
│                                         │です。                                                    │ 
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│・ポキート1S                           │ポキ さくらちゃん、ちょっぴり見直しました。ぼけーっとしてるようで、  やるときは│ 
│                                         │やるんですね!                                            │ 
│・2S                                   │サクラ 何か、いつも一言多いのよね!                         │ 
│                                         │ポキ はいはい、じゃあ最後の問題です。これをクリアできたら、宇宙調査  も合│ 
│                                         │格と言えるでしょう!                                      │ 
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│6 VTR:クエスチョン3〜惑星探査で見つかったもの                                                 │ 
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│・マーズパスファインダー打ち上げ                │Q 1996年に打ち上げられた、火星探査機、マーズパスファインダー。  │ 
│                                         │  パスファインダー計画では、新しい探査技術がいくつもとり  い│ 
│                                         │れられました。探査機の着陸方法もそのひとつです。          │ 
│・エアバッグに包まれたランダー           │Q 探査機ランダーは、火星の着陸10秒前に、エアバッグですっ  │ 
│                                         │ぽりと包まれます。そしてそのまま地上に落とされ、何回も  バウンド│ 
│                                         │しながら着陸します。                                      │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │                                                          │ 
│・着陸                                   │Q 着陸に成功したランダーは、自動でエアバッグをたたみこみ  ま│ 
│                                         │す。                                                      │ 
│                                         │  そして3枚の太陽電池パネルを開きます。                │ 
│・2台のカメラ                              │Q ランダーには、立体映像用のカメラが搭載されています。特殊な │ 
│                                         │ 画像処理によって、火星の立体映像を360度のパノラマ映像で  │ 
│                                         │見ることができるのです。                                  │ 
│・ランダーのとらえた気象情報             │Q 大気についても、ランダーの気象観測装置によって詳しく調  べ│ 
│                                         │られました。火星の表面は、気圧が地球の100分の1し  かありませ│ 
│                                         │ん。そのため、熱が伝わりにくく、高さが75セ  ンチが違うだけで、気│ 
│                                         │温が14度も違います。                                    │ 
│                                         │  さらに、1日の内に気温がおよそ70度も変化します。    │ 
│・ローバー                               │Q またランダーは、自由に移動することができる小型の地上探  査│ 
│                                         │車ローバーを搭載しています。                              │ 
│・地球のコントロールルーム               │Q ローバーは地球のコンピューターでリモートコントロールさ  れま│ 
│                                         │す。                                                      │ 
│・ローバーがとらえた地表の様子写真など   │Q 火星の過酷な環境にも関わらず、ローバーは、地表や岩石の  │ 
│                                         │撮影を長期間にわたって続けました。そしてランダーからは  見えな│ 
│                                         │かった砂丘の映像を送ってきたのです。                      │ 
│・砂丘の映像                             │Q また放射線を使った計測器では、あちこちの岩石や土の成分  │ 
│・岩石の写真                             │の分析も行いました。                                      │ 
├────────────────────┴─────────────────────────────┤ 
│7 スタジオ:クエスチョン3→アンサーVTR3→博士登場                                             │ 
│                                                                                                     │ 
│・下手モニターこみ2S                   │ポキ で、ここで問題です。れき岩の発見により、わかった過去の火星の環  境と│ 
│  (モニターに地上探査機ローバー→れき岩)│は一体どんなものだったのでしょうか?フン!これはわかるまい!│ 
│                                         │サクラ えっ!簡単じゃない!大量の水が、それも長い期間にわたってあった  っ│ 
│・サクラ1S                                │てことがわかったんでしょ!                                │ 
│                                         │ポキ(冷や汗)ま、ま、まあ正解にしてあげましょう。         │ 
│・2S                                   │サクラ あげましょう!って何よ大正解でしょ!!               │ 
├────────────────────┼─────────────────────────────┤ 
│<アンサーVTR3>〜DVE                │                                                          │ 
│・ローバー調査                           │Q これは「れき岩」だと考えられています。れき岩は、水や氷  河に│ 
│                                         │よって砕かれた岩石が固まったものです。                    │ 
│・れき岩                                 │Q れき岩があるということは、火星に大量の水があったことの  証拠│ 
│                                         │なのです。                                                │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │Q また、丸くなった岩石が重なり合っている場所もみつかりま│ 
│                                         │  した。水に流されて角がとれたと考えられています。      │ 
│・水に流された岩石                       │Q 過去における大量の水の存在は、生命の存在を想像させるも  │ 
│                                         │のでした。                                                │ 
├────────────────────┼─────────────────────────────┤ 
│・2S                                   │ポキ ぐおうかっくうう!(合格)SE:ファンファーレ         │ 
│                                         │サクラ なによもう、おおげっさねぇ!                         │ 
│・LS(博士フレームイン)                     │博士 ごめんごめん、遅れちゃって!                        │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │サクラ へえ、おもしろそう!                                 │ 
│                                         │博士 ポキートマザーコンピューターにアクセスして!        │ 
│                                         │ポキ はいはーい!                                         │ 
├────────────────────┴─────────────────────────────┤ 
│8 VTR:人類のあくなき挑戦                                                                     │ 
├────────────────────┬─────────────────────────────┤ 
│<見ることへの挑戦>                     │                                                          │ 
│・壁画動くCG、いろいろ                 │Q 私たちは宇宙のどこにいるのか?人間が描く宇宙の姿は歴史  │ 
│                                         │とともにたえずかわってきました。確かな記録のない旧石器  時代で│ 
│                                         │さえ、すでに人間は夜空の熱心な観測者だったと考え  られていま│ 
│                                         │す。                                                      │ 
│                                         │Q 文明を産みだしたとき、人類はすでにいくつもの宇宙像を作  り│ 
│                                         │上げていました                                            │ 
│                                         │Q 海の上に平らな大地が浮かんでいる。古代ギリシャの人々は  │ 
│                                         │そう考えました。                                          │ 
│                                         │Q インド人は、亀の上に象がのり、その上に地球がのっている  と│ 
│                                         │考えました。いずれも数千年前に人類が考えれていた宇宙  の姿で│ 
│                                         │す。                                                      │ 
│                                         │Q やがて人類は、自分たちの住む場所が丸い球の形をした天体  │ 
│                                         │であることを知りました。                                  │ 
│・コペルニクス                           │Q 1543年。コペルニクスはそれまでの宇宙に対する考えを│ 
│                                         │  くつがえしました。                                   │ 
│                                         │  地球が宇宙の中心ではなく、太陽の回りを回るひとつの惑星  │ 
│                                         │にすぎないことを証明したのです。                          │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │Q この説をきっかけに、人類は宇宙への関心を深めていったの  │ 
│                                         │です。                                                  │ 
│                                         │                                                          │ 
│・花畑ごしの山                           │Q 標高2860メートル、ミディ山に向かう天文学者専用のケ  ーブ│ 
│・山々ドリー                             │ルカーがあります。19世紀後半、この山に登り吹雪と  闘いながら、│ 
│・ケーブルカーからのドリー               │険しい山の頂に天文台をつくりあげました。                  │ 
│                                         │Q 空気が澄んだ高い山の上ほど、より詳しい観測が可能になる  │ 
│                                         │のです。                                                  │ 
│・石ドリー→天文台                       │Q ピックドゥミティ天文台。ピレネー山脈の厳しい自然に耐えるよう、  │ 
│                                         │石を積み上げてつくられています。                          │ 
│・山→天文台LS                         │Q この山頂の天文台は、建設以来、世界の太陽観測をリードし、  │ 
│                                         │優れた天文学者を輩出してきました。                        │ 
│・ピック天文台                           │Q ジャン・クロード・ペッキア博士もその一人です。        │ 
│                                          │Q 「コロナグラフ」による観測。太陽の光をかくし、コロナを  中心と│ 
│・ジャン博士                               │した、太陽の周知の動きだけをとらえます。                  │ 
│・コロナグラフによる観測結果                 │Q コロナグラフは、1930年この天文台で発明されました。  以来、│ 
│                                         │天文学者達はこのコロナグラフを使って、地球の1番  近くに輝く星、│ 
│・ピック天文台                              │太陽の素顔を次々と明らかにしてきました。                  │ 
│                                         │Q 太陽の観測を通して、宇宙の謎に挑みつつけてきたピックドゥ  ミ│ 
│                                          │ディ天文台。その精神は今も生き続けているのです。          │ 
│                                         │                                                          │ 
│■ジャン博士インタビュー                   │■宇宙を知ることは人間の精神の偉大な到達点。観測の時にパス カ│ 
│                                         │ルの言葉をいつも想い出す。「無限で永遠の宇宙とむきあう たびに自│ 
│                                         │分の小ささを思い知らされる」という言葉。私も同感。 しかしちっぽけな│ 
│                                         │存在に過ぎない私たちが広大で無限な自然に 挑み続けているのだ。│ 
│                                         │この山の頂にくるたびにその喜びを味わ えるのだ。          │ 
│                                          │                                                          │ 
│                                         │Q 険しい山の頂に築かれた天文台。宇宙に一歩でも近づこうと  │ 
│・山の中の天文台                         │する人間の情熱の象徴です。                                │ 
│                                         │                                                          │ 
├────────────────────┼─────────────────────────────┤ 
│<考えることへの挑戦>                   │                                                          │ 
│・星空LS                               │Q 20世紀のはじめ、望遠鏡では認識できなかったある天体を、  │ 
│                                         │物理学の理論が予言しました。                              │ 
│                                         │                                                          │ 
│・ブラックホールイメージCG             │Q 秒速30万キロの光さえ飲み込んでしまう謎の天体、ブラッ  クホ│ 
│                                         │ール。その謎の天体の存在は、ある科学者によって導か  れました。│ 
│                                         │Q カール・シュバルツシルト。28才でドイツのゲッチンゲ   ン大│ 
│・カールシュワルツシュルト肖像画         │学の教授に就任、付属の天文台長も兼任していました。Q 天才物理│ 
│                                         │学者、アインシュタインの理論を使って、シュバル  ツシュルトが考え│ 
│・数式                                   │た数式です。アインシュタインの理論には、  大きな質量のまわりで│ 
│・アインシュタイン、ワイプ                 │は、空間がゆがんでしまうという事実  が隠されていました。│ 
│                                         │Q シュバルツシルトの式は、実際に空間がどれくらいゆがむ   か│ 
│                                         │を計算するものだったのです。                              │ 
│・数式を示すCG                         │Q それはすなわち、強い重力を持った天体、ブラックホールの  存│ 
│                                         │在を予言するものでした。                                  │ 
│                                         │Q ブラックホールが、観測によって明らかにされたのは、シュ  バ│ 
│                                         │ルツシルトの予言から、およそ70年後のことでした。        │ 
│                                         │Q X線観測衛星、ウフルの打ち上げもそのひとつです。      │ 
│                                         │Q ウフルは、4年にわたって数々の天体を観測し、見えない天  │ 
│                                         │体、ブラックホールを、まず私たち銀河系にある白鳥座の中    │ 
│・ウフル打ち上げ、いろいろ                  │  にとらえました。                                      │ 
│                                         │Q 白鳥の首のほぼ中央部、青白く輝くこの星の隣りにブラック  ホ│ 
│                                         │ールがあるのです。                                        │ 
│                                         │Q そして、この青白い大きな星こそがブラックホール観測の大  き│ 
│・白鳥座ズームイン                       │な鍵になりました。                                        │ 
│                                         │Q ブラックホールが、巨大な重力によって青白い星の表面のガ  ス│ 
│・青白く輝く星アップ                     │をすさまじい勢いで飲み込んでいたのです。ブラックホー  ルに吸い│ 
│                                         │込まれるガスは飲み込まれる際に、こすれ合い摩擦  熱で、すさまじ│ 
│・降着円盤                               │いエネルギーとして放出します。                            │ 
│                                         │  そのエネルギーを、ウフルはとらえたのです。            │ 
│                                         │Q 青、黄、赤すべての点が、ウフルのとらえた強いエネルギーを放  │ 
│・吸い込まれるアップ                     │出する天体です。                                          │ 
│                                         │Q 宇宙には、ブラックホールの可能性を秘めた天体がこんなに  も│ 
│・X線観測図LS                         │存在しているのです。                                      │ 
│                                         │Q 観測技術の進歩によって、次々と発見されるブラックホール。  │ 
│・観測図パン                              │しかし、その存在を人類に気づかせたのは、科学者の理論だ  った│ 
│                                         │のです。                                                  │ 
│・ブラックホールCG→シュワルツシルト │                                                          │ 
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│<行くことへの挑戦>                     │                                                          │ 
│・星の町                                 │Q 1961年、世界で初めて有人宇宙飛行に成功したユーリ・  ガガ│ 
│・ガガーリン石像                         │ーリン。ガガーリンにあこがれ、宇宙飛行士をめざす若        │ 
│                                         │  者達はあとを絶えません。                              │ 
│・水中訓練                               │Q しかし宇宙飛行士になるには、長く、厳しい訓練を積まなけ  れ│ 
│                                         │ばならないのです。                                        │ 
│                                         │Q 浮力のある水中を利用して、無重力状態での船外活動に慣れ  │ 
│                                         │るための訓練です。潜りっぱなしの状態が5時間も続きます。  この│ 
│                                         │日の訓練で一人の宇宙飛行士は3キロも体重を減らしま  した。│ 
│                                         │Q こうした訓練にたえ、選び抜かれたものだけが、宇宙に行く  資│ 
│・ガガーリン記録                         │格を得ることができるのです。                              │ 
│                                         │Q  宇宙での滞在時間は科学技術の進歩にあわせ、飛躍的に伸び │ 
│                                         │ ています。ガガーリンの宇宙飛行は1時間48分。それから  およそ│ 
│                                         │40年、宇宙での滞在期間は、1年間を超すまでにな  っているので│ 
│                                         │す。                                                      │ 
│                                         │Q しかし、同時にそれは乗り越えがたい障害が存在することも  浮│ 
│・宇宙船内での宇宙飛行士さん             │き彫りにしました。人間の心の問題です。                    │ 
│                                         │Q 旧ソビエトの(?)では、宇宙飛行士が管制官と交わした会  話│ 
│・音声分析室                             │を全て録音し、そこに現れる1年間の心理状態を分析して  いまし│ 
│                                         │た。                                                      │ 
│                                         │Q 最初は、興奮、いらだちの状態が続き、緊張が高まっていま  し│ 
│・データ                                 │た。4ヶ月目に入った頃からは、心理的に疲れがはっきり  と見られる│ 
│                                         │ようになりました。                                        │ 
│                                         │Q 宇宙での長期滞在における心のコントロールは、宇宙飛行士  │ 
│・宇宙船内でのトレーニングの様子              │にとって重要な問題です。                                  │ 
│                                         │Q 肉体的にも精神的にも過酷な宇宙飛行に、人間はなぜ挑み続 │ 
│・管制室→宇宙船の二人                   │ けるのでしょう?                                        │ 
│                                         │                                                          │ 
│                                         │■人間には好奇心があり、それを満たそうとする。この好奇心こ そが│ 
│■ビクトレンコ飛行士インタビュー         │人間の進歩と発展を支えている。ガガーリンの成功も、人 類の好奇│ 
│                                         │心、探求心の賜だ。                                        │ 
│                                         │                                                          │ 
│・宇宙イメージ                           │Q 宇宙誕生から150億年、小さな惑星に生きる人類が、母な  る│ 
│                                         │宇宙に向ける果てしない問いかけの旅。その旅路は、私た  ちの心│ 
│                                         │が滅びない限り、どこまでも続いていくのです。              │ 


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