NHKジュニアスペシャル 第21回「はるかなる宇宙への旅立ち」補足解説
1999.6.1 ver.0.21 萩谷 宏
恒星(太陽)とは
宇宙空間で、自分で光を放出して光っている星を恒星と呼びます。基本的には、星の内部で核融合反応を起こして、 その膨大なエネルギーを放出して光っている天体です。
恒星の誕生
宇宙空間には、濃密なガスやちりが集まっている場所があります。望遠鏡で観測すると、そこではそれより遠方から来る光を吸収して通さず、 我々から覆い隠してしまうので、暗黒のシルエットが浮かび上がります。これを暗黒星雲と呼びますが、 このような場所で恒星が生まれてくるものと考えられます。
原始星から主系列星へ
暗黒星雲のなかで収縮をはじめたガスやちりのかたまりは、自分の重力でどんどん収縮すると共に、周囲のガスやちりを集めていきます。
これが星の卵ともいうべきものです。集まったガスの中心部では、重力で収縮することにより温度が上昇するために、次第に輝きはじめます。
核融合反応をまだ起こさずに輝くこのような段階の恒星を、原始星と呼んでいます。
また、周囲にはガスやちりの円盤ができて、中心の周りを回っています。これが原始惑星系円盤とよばれるものです。
収縮が進み、中心部がある温度(およそ1000万度)に達すると、そこで水素の核融合反応が開始します。 これが、狭い意味での恒星の誕生です。 水素の核融合によりヘリウムを生み出す反応は、非常に安定して起こるので、 水素−ヘリウムの核融合反応のみをエネルギー源として輝き続ける時期が、 恒星の一生のなかではもっとも長い期間を占めます。
主系列星
恒星の大きさは、集まったガスの量による自己重力の大きさと、核融合反応などのエネルギーの放出による放射圧とのかねあいで決まります。 単純に言えば、放出するエネルギーが大きくなれば膨張しますし、小さくなれば収縮します。
水素−ヘリウムの核融合反応は、非常に安定しているために、恒星は水素だけを燃焼している段階では、エネルギーの放出の割合があまり変化せず、 したがって恒星の大きさもほぼ一定の状態を保ち続けます。*数十%程度の変動はあります。
主系列星の段階では、最初に大きな質量を持った星は、直径が大きくなり、表面温度も高くなります。
表面温度が高いと、星の出す光は青い成分が多くなり、また光度(星が出す光の量…絶対等級)も大きくなります。
質量の大きい星は、非常に激しく中心部の水素を消費するために、質量の小さい恒星よりも早く中心部の水素を使い切ってしまいます。 つまり、主系列星としての期間が非常に短くなります。例を挙げると、
太陽質量の恒星…、太陽の3倍質量の恒星…、
巨星から恒星の死へ
恒星は中心部で水素をヘリウムに変える核融合反応を起こしている間、安定してほぼ同じ光度と大きさを保ちながら輝き続けますが、 やがて中心部の水素を燃やし尽くし、ヘリウムの芯ができます。
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