2002年度地学

武蔵工大・工学部 都市基盤工学科、建築学科 専門基礎科目


3 惑星科学  …月の地質が語る太陽系の初期史

 われわれはどこから来たのか 第3回

2002.4.23 地学#03 萩谷 宏


キーワード:シアノバクテリア、ストロマトライト、縞状鉄鉱

酸素のない地球
 22億年前より以前の時代、陸上で赤い酸化鉄ができない程度の酸素濃度。
 誰が酸素の多い大気をつくったか?

初期地球の大気
 原始惑星系円盤の段階 水素とヘリウムが大半(太陽大気組成に近い)
 衝突脱ガス+マグマ・オーシャン →水蒸気+二酸化炭素の初期大気

海洋の形成
 液体の水…海洋の存在条件
 海洋による二酸化炭素の固定 石灰岩の形成 …正のフィードバック

生命の起源
 酸素のほとんどない環境で、化学進化の進行
 おそらく海水中、高温環境(熱水系?)
 生命の条件
  …膜による外界との隔離、代謝、自己複製能力

初期地球の生態系
 化学合成細菌 … 光合成+酸素放出するシアノバクテリアの出現
 酸素を出す生物と、酸素を使わない生物の共存 …35億年前から?

地質の記録
 オーストラリアで34.6億年前の生物化石?(最古)。南アフリカでもほぼ同じ年代。
 生物起源の炭素?はグリーンランドの38−39億年前の地層から。
 縞状鉄鉱の形成年代と酸素の放出との関係

標本:
 縞状鉄鉱:38億年前・グリーンランド・イスア産
 縞状鉄鉱:25億年前・オーストラリア・ハマスレイ産(虎目石)

VTR:
・地球大紀行DVD 特典映像#1「衝突の贈り物」
NHKジュニアスペシャル#3(地球大紀行#3)「残されていた原始の海」VTR1, VTR2

参考書:
・生命と地球の共進化 川上紳一著 NHKブックス
・大気のおいたち 秋山雅彦著 青木書店1986 \1400

講義データ
http://www.chemie.org/geo/


2002一覧へ

index

H.Hagiya (c)2002