出席カードに書き込まれた、質問と意見(要約)に対する回答(6/26火曜1限・土木)

(鉱物・岩石の説明とジュニアスペシャル#32「移動する大砂漠」)

 

*砂漠の砂を、リサイクルは、できないのか

 リサイクルとは、どういうことをイメージしていますか? ガラス原料として利用することは可能だと思われますが、あまり資源とされていないように思います。砂漠ではなく、ベトナムやブルネイなど、熱帯雨林地域の石英砂がガラス原料として採掘されているようですね。リサイクルという言葉の意味にこだわると、砂漠の砂は陸上や海底で、石英砂岩として、ふたたび岩石に生まれ変わります。例えば、建築石材に使われる「インド砂岩」は、10億年あまり昔の砂漠の砂が固まった岩石です。

*話の脱線が多すぎる気がしました

 毎回反省はしているのですが。気をつけましょう。ですが、これを書いた君はこれまで3回の講義を欠席しているようです。脱線のように見えた話には、前回の講義で話したり、VTRで紹介した内容の補足が含まれているのですが、それをわかっていますか? 一回話したり見せたりしただけでは消化しにくい場合があるので、大事なことは繰り返しになっても講義で確認することにしています。

*鉱物とはどのようなものがあるかがわかった。

 ごめんなさい。本当はもっとくわしく話すべきことがあるし、見せるべき鉱物がたくさんあるのですが…。

*もっとビデオを見る時間が長い方が良かった。

 時間配分に注意します。まあ、あのあとは砂漠に生きる生物の話なので、授業の流れからは、お見せした部分で完結してはいます。

*砂漠で迷ったらどうするのか?

 本当に砂漠で迷ったら、死が待っていると考えるべきでしょうね。砂漠の種類や条件にもよりますが。まず、迷わないことですね。ところで、砂漠での死因第一位は、溺死だそうです。どうしてかな?

*ダイヤは1tで2キャラットですか…もっととれると思ってました。

 1カラット=0.2gなので、1tで1カラットですね。でも、これはある鉱山での平均値ですので、もっと多い場合もあるかもしれません。いずれにせよ、かなり少ない割合でしか出てこないことは確かですね。

*温度差で岩が割れるとはすごい

 そうですね。直射日光が当たると気温よりも温度が上昇しますので、熱膨張は無視できないと思います。もう一つは、時間の効果があると思います。1万年くらい熱膨張と収縮を繰り返していたら、ぼろぼろになりそうです。

*砂漠の砂は利用できないのか

 リサイクルのところで前に述べた通りなのですが、ガラス原料、半導体(シリコン)原料として活用が可能な場合はあると思います。その他、オーストラリアでジルコンの多い砂があるようなのですが、これはレアメタルの一種、ジルコニウムの鉱石にならないか、と思っています。利用されているかどうかはわかりません。

*鳥取にある砂丘も理由は同じですか?(同様二通)

 サハラ砂漠とできかたが同じか?ということですか。鳥取砂丘は海岸砂丘で、河川が海に運び出した砂が、沿岸流で運ばれ、海岸に堆積していったものです。ですから成因は異なります。それはたぶん、砂を見ると、鉱物の種類や形態で判断できると思います。(風化の度合いが低い=粒子の種類が豊富、円磨度が低い)

*ダイヤモンドが炭素からなるのはいつも不思議。

 不思議ですね。硫黄の場合でもありますし、石英と金属シリコンを見比べても、酸化物と単体でこんなに違うかと思いますし、ルビーやサファイヤと、粉末の酸化アルミナを比べてもびっくりします。物質の性質がこんなにも変わるものですかね。

*砂漠のせいぶんは?

 砂漠の砂の化学組成を聞いているのですか? サハラ砂漠では、ほとんど石英の砂からなり、石英の化学組成はSiO2ですので、100%SiO2に近い組成です。

*もっとビデオを見せて欲しかった。Vは分かりやすいから。(同様一通)

 VTRを見せた方が僕も楽なのですが、VTRで講義内容を全部網羅しているわけではないので、板書中心の授業になる場合もあります。土木の専門で扱う地学的事物に対する常識を身につけてもらうのが僕の義務でもありますので、ビデオが少なくなる場合もあるのは我慢してください。

*岡山理科大のグループは罪にならないのか

(講義で、彼らが6月中旬に西日本で大きな地震があることを予知したと報道されたため、自治体の中には混乱したところがある、と紹介した。科学的検証の薄弱さも批判した。)

 どちらかというと、これを取り上げたマスコミや、自治体の判断力と見識の不足こそが問題だという気がします。怪しい話はそこら中に転がっているわけで、取り上げる価値があるかどうか、主張や実績をよく観察すれば、判断できるはずなのです。科学の基礎さえできていれば。行政やマスコミの科学に対する弱さが根底にあります。われわれは、これを改善していかなくてはいけませんね。罪の件は、騒乱や、それによる自分の利益を企図したものでなければ、罪にはならないでしょう。それに、難しいのは、まっとうな予知や予測に対しても、外れたからといって罪に問われたらたまらないですよね。

*イースター島も近づいているのか?

 イースター島は太平洋の海嶺(東太平洋海膨)の東側ですので、南米の方に向かって移動します。したがって、日本からは遠ざかるように移動しています。なお、イースター島もホットスポットの火山島のようです。

*石墨も高圧・低温にすると、ダイヤモンドになるのか?

 なります。ただし、低温といっても反応速度(温度が高いほど速い)を稼ぐ必要もあるので、1000度くらいにする必要はあり、その分地下100km以上の高圧条件を作ってやる必要があります。合成ダイヤモンドは、そのようにして作られます。炭素を多く含むピーナッツバターで人工ダイヤモンドを作った例もあるそうです。

*(講師の顔のスケッチ)

 早く床屋に行こうと思いました。僕はこんなに人相が悪いですか? それから、僕はカラオケが苦手です。

*マグマはさまざまな陽イオンが溶けて、なぜ熱くなるのか?

 マグマが高温なのは、地下が高温で、その熱を地上に運んできているからです。マグマは上昇する間に少しは冷えているので、われわれが地上で見るときには、地下にあったときよりも温度が低下しています。それでも岩石が溶けている状態を保つほど高温なので、さまざまな陽イオンを溶かし込むことができます。…これでわかりますか?

*今日の授業は興味のある分野だったので楽しかったです。

 君がいま興味を持っていない分野の話でも、僕の授業を通じて少しでも興味を持ってくれたら、この科目を担当した甲斐があると思っています。

*地球全体のあらゆる物質(固体、液体、気体)すべては保存されるのか。

 保存されないとしたら、どうなると思いますか? どのように逃げ出すと思いますか? 次回の出席カードでの考察と回答を期待します。

*さばくいってみたい

 行ってみたいですね。僕は地質調査ができる砂漠だともっといいのだけれど、砂丘に昇る朝日や夕日を見たら、人生観が変わるかもしれないなあ、なんてことも想像します。

*ダイヤモンドが一番かたいなら、そのダイヤモンドはどうやって加工するのですか?

 ダイヤモンドの粉で磨いてすり減らし、加工します。また、ダイヤモンドは結晶の中で衝撃に弱い方向があるので、そこに打撃を加えると、ひびが入り、割ることができます。とても難しいらしいですが。

*化学みたいでよくわからなかった。(同様二通)

 鉱物学は、高校程度の化学と物理学の基礎がないと、理解するのは難しいかもしれません。そこまではこの講義ではフォローできないかな。参考書を探してみます。

*歯ってけっこうかたいですよね

 硬いです。人体の中で一番硬く、水晶に匹敵する硬さだそうです。成分的には、そんな硬い鉱物ではない(ハイドロキシアパタイト+カルサイト)はずなのですが、複雑な構造で強度を増しているらしいです。

*ダイヤモンドより硬いものはつくれないのですか

 原理的には可能なものがあったような記憶がありますが・・・調べてみます。天然鉱物ではありません。

*どうして同じ種の同じ数の原子から石墨とダイヤモンドみたいに違う鉱物ができるのかなと思う。なにが原因で結晶構造がかわるのか不思議だ。

 不思議ですね。僕も理屈はいろいろ学びましたが、不思議さはかわりませんね。

*サハラ砂漠に行ったことありますか?

 ありません。機会があれば行きたいと思っています。

*日本でダイヤ採れるんですか?

 採れません。日本の地下は火山活動があるように、温度が高すぎるので、ふつうのダイヤモンド鉱山で採れるようなダイヤモンドは出ないでしょう。5億年か10億年後には、地下の温度が下がって、ダイヤモンドが出てくる可能性はあると思いますが。

*雲があまりできない地域があるとは知らなかった。

 気象衛星ひまわりの雲写真(全球)をずっと見ていると、日本の南海上などで、北緯20-30度あたりで、確かに雲ができていない部分があるのがわかります。また、そのゾーンが季節によって南北にずれているのもわかります。注意して見てみましょう。

*最近夜地震が多くて怖い。

 家具や本棚などが倒れないように対策することと、火事の初期消火の備え、避難路の確認、非常用持ち出し物品の用意をしておきましょう。対策をしておけば少しは安心して眠れます。

*岩石の種類はどのくらいあるのか

 細かな違いを気にすれば、無数に種類があることになってしまいますが、基本的にはそんなに多くないです。地球上であれば、地質学者が区別するのはせいぜい数十種類で、あとは細かい違い(特徴的な鉱物や、組織)を記載の時にちょっと付け加えるだけです。

*板ガラスはゆっくりだが流れて形がかわる(例、古い教会のステンドグラスは下の方が厚い)と聞いたことがあるのですが本当ですか?

 僕も確かめてはいませんが、たぶん、本当だと思います。

*雨の降らないドーナツ状の地帯の中にアマゾンも含まれていたように見えたのですが、なぜアマゾンでは雨が降るのでしょうか?

 それは見まちがいだと思います。アマゾンは赤道直下で、上昇流で雲ができやすい地域です。もっと北のカリブ海のあたりが、雲のできにくい地域になります。

*コンビニに行って何も買わないで行くのはどうかと?

 そんなことを言ったかな。言ったかもしれませんね。でも、僕は気が小さいので何か買うことが多いです。

*講義→ビデオの方がわかりやすい。

 最初にビデオを見せた方が、私語が減るというメリットもあるのですよね。ともあれ、工夫してみます。

*レポートの評価についてもう一度詳しく教えて欲しい。

 10点満点で評価します。基本的に出席点の穴埋め(欠席1回につき−4点)として用います。出席+レポートで50点満点。期末試験の100点満点を50点分に圧縮して、あわせて成績とします。

 

出席カードに書き込まれた、感想、質問と意見(要約)に対する回答(6/26火曜2限・建築)

(鉱物・岩石の説明と「人類、月に立つ(10)」を視聴。主として後者に対する感想。)

 

*とにかく感動です。いろいろと考えさせられ、いずれ地球の誕生などへの分野に興味を持ってしまうのでしょうね。やはり、自分が目指している“宇宙建築”は間違いではないようです。

 月や小惑星の上に建築作品ができたら、ぜひ僕を呼んでください。

*生命の誕生にかかわらず、“もの”の起源を知ることは、人が生きている上で、ある意味、重要なことかもしれないですね。

*現在、もっとも興味深い地質もしくは、それに関する研究は何ですか?

 これは難しい質問ですね。そうですね。40年くらい前に、地球科学のフロンティアだと思われていた分野は、いまでも未解決の部分があります。1)地球内部の物質 2)初期地球と生命の誕生 3)惑星の起源 4)海洋底。これに加えるならば、5)地球環境をコントロールする要因 6)大量絶滅のしくみ、と、思いつく限りではこんなところでしょうか。僕にとっては、惑星科学との関係も含めて、初期地球が面白いと思っています。

*月に行くことにより創世記の岩を発見しているとは思ってなかった

 「創世記の岩」というのは比喩ですが、月はサイズの小さい天体で、早い時期に冷えて活動を停止してしまったので、非常に古い時代の様子がよく保存されているわけです。ただし、表面は度重なる隕石衝突で掘り返され、岩石は粉砕され、はじき飛ばされて混合され、破片や、破片が溶けてくっついた角礫岩になってしまっています。それで、月の古い時代を直接物語ってくれる岩石(斜長岩)を探し出すのに、困難があったわけです。

*石に興味を持たせる面白い内容でした。

 興味を持ってくれればうれしいことです。

*斜長石(斜長岩)について、もっと詳しく教えて欲しい

*あの斜長岩でわかったことが知りたいと思った。

 →授業でやりましょう。

*とても楽しいビデオだった。月がかなり奥の深いところだと思った。石1つで歴史などがわかることはすごいことだと思った。しかし、月はなぜ無重力なのか?なぜあそこにあるのか?ということが気になった。教授は最高な人だ。

 月の表面は無重力ではないですよ。重力は地球の1/6ですが、しっかりあります。月面車も地面を走っていましたよね。シルバー教授が最高だというのは同感です。

*知らないことを知ろうとする過程は、すごいと思った。ちなみに先生は、有キ物を少しは好きになった方がいいと思います。

 別に嫌いなわけではありません。苦手なだけです。

*光り物が好きなので宝石とか光る鉱物は好きだ

 なぜ光るのか、を知ると、もっと好きになれるかもしれません。

*自然界の物のほとんどが「固溶体」の性質を持っている(?)ってどういうことですか?

 これは説明の途中が抜けていますね。自然界には、鉱物…結晶がたくさんある。大気や海洋、人工物や生物をのぞけば、地球の体積のほとんどが鉱物で占められていると言ってよい。その鉱物の大半は固溶体の性質を持ち、それゆえに岩石(マグマ)のもつ複雑な化学組成を、わずか数種類の鉱物で実現できるのだ、という話です。

*今日の映画を見て、地質学者のすごさ、楽しさがわかりました。アポロ15号に乗ってた人たちはものすごい地質学者だったんですね。先生の無機物好きが少し理解できました。

 アポロ15号の着陸船クルーである、デイブ・スコットとジム・アーウィンは、地質学の特訓を受けた宇宙飛行士というべきで、訓練と努力の結果、月面ですばらしい能力を発揮しましたが、本来の地質学者は、彼らのバックアップクルー(地上で支援する)であったジャック・シュミットです。シュミットはアポロ18号の着陸船クルーに予定されていたのですが、18号がキャンセルされてしまい、月に行くチャンスを失ったかに見えたのですが…。僕の無機物好きを理解してくれたのならありがたいことです。

*石にはそれぞれ物語があることがわかり、興味を持った。

 そうですね。そしてまた、石を研究する人々にも、それぞれの物語がありますね。

*今回のビデオはとても感動しました。石を調べる地質学者はすばらしいと思います。先生が中2の頃から地質調査を始めていたというのには驚きましたが、ビデオを見ていて、興味を持ち始めることが大切だということがわかり、地学以外でも考えさせられました。

 面白いものがいろいろ見つかるといいですね。

*いま現在宇宙の分野では宇宙ステーション計画ならぬものが聞かれるが、あまりにも金額が莫大すぎる。何か億単位の予算をきいてもそれがはたして本当にその計画に見合っているのか素人には全く判断できない。その金額に我々はマヒしているようにも感じる。しかしそれらに金を出すという事実があるのは、人類の夢という理由があるからだ。たしかにさまざまな人類の夢があるが、やはり宇宙を知ることは人類最大の夢なんだと感じる。

 人類最大の夢のひとつでしょうね。相手がべらぼうに大きいですしね。

*ビデオが面白かった

*月に行きたい(同様1通)

 僕も行きたいんだがなあ。片道切符でもいいから。こういうとき、若い方が得ですね。うらやましい。

*最高でした。大興奮しています。すばらしいです。感動です。私はほんとにすごく宇宙が好きで、視力がよかったら絶対、宇宙飛行士に応募しているくらい大好きです。私も、月に行くだけが目的でそれ以上はないと思っていましたが、今日、岩石の魅力がわかった気がしました。石たったひとつでその地の歴史がわかるのは、ほんとうにすばらしい発見だと思いました。もっと多くを語りたいくらいです。

 語ってくださって構いません。でも、石ひとつでストーリーを語れるようになるということの背後には、主に18世紀以降の、何世代にもわたる多くの人々の、努力の積み重ねがあるのですよね。ですから、拾得するには少し時間がかかります。でも、少しわかればそれだけ石の世界の奥行きが見えてくる、ということは言えますね。宇宙の探求は、そしてこれからの惑星科学は、地質学を基礎にして成立すると僕は信じています。

*斜長岩と斜長石は何が違うのですか?ビデオは面白かったです。

 斜長岩は斜長石の集合体です。体積で90%以上が斜長石でできている岩石(火成岩)を、斜長岩といいます。

*砂利と砂の境目は何ですか?

 砂利と言うときは、レキ(直径>2mm)の割合が多いのではないですか。

*おもしろかった

*感動!

*地質学者の人がかける情熱をすごく感じた。石というとどれも変わらないような感じがしてた、が、1つ1つに込められた歴史があって、それを読んでいる学者たちがすごく楽しそうで、その他の示唆をわかりたいと思った。石に対する偏見があるから壮大な世界に気づかないだけだった。石を見て、○○岩とか言えたら楽しいと思う。

 まあ、世界中どこに旅行しても、地層の路頭や石さえあれば、それなりに楽しめることは確かです。

*以前に、たしか生物学者だったと思うんですが、シーア・カルボーンさんが言っていたのですが、「今、環境ホルモンという恐ろしいものがあって、それを研究している人はたくさんいるが、お金がなくてできない。政府は人類に直接関係のない火星探査とかにお金をつぎ込んでいる。それより今、人類の未来にかかわる環境ホルモンの研究なんかに力を入れた方がいい。」というようなことを言っていました。これを聞いたとき、私も宇宙のことなんかにお金をかけるより、環境ホルモンや、病気の研究にお金をかけた方がいいと思いました。でも今日見て、月を調べることは地球を知ることだから、少しはいいのかなと思いました。でも本当にNASAは火星に住もう、住めると思っているのでしょうか。このことに関しては私は魅力を感じません。そんな他の星に住もうと思うより、この地球の環境問題や、エネルギー問題とかを解決する方が正しいと思います。先生はどうお考えですか?

 直接の回答になるかわかりませんが、ジュニアスペシャルのある回(#15?)で、サクラのセリフに、こういうフレーズがあります。「そうか、第二の地球をつくるのは、地球を逃げ出すためではなくて、今私たちが生きている地球をよくするために、何をすればいいのかを学ぶためなのね。」

 地球について、そして太陽系の他の惑星について調べるのは、私たちが住む世界をより深く知り、そしてその知識の一部が、きっと現在とこれからの我々の生活をどのようにすれば、よりよいバランスを保って生きていくことができるか、それを教えてくれるからだ。…上記のセリフは、このように言い換えることができるのではないでしょうか。まあ、火星に住むことの現実性は、コスト的に見ても疑問ではありますが、その実験が将来の宇宙空間探索の基礎にはなるでしょう。

*ダイヤモンドを割る方法を教えてください(同様1通)

 僕もやったことはないのですが、結晶の辺のところにたがねをあて、辺に平行に打撃を加えるようです。そうするとひびが入り、真二つに割れるという高速度撮影の映像を見たことがあります。

*小さな石から宇宙の壮大な歴史の物語を探るということはとても興味深い。地質学のロマンを少し理解した。

 面白いでしょう? 

*映画がとても面白かったです。ひとつの石がもつドラマを感じました。

 僕の授業よりはるかに評判がいいので、仕方がないとはいえ、ちょっとくやしい。でも、これがきっかけで興味を持ってもらえれば、僕としては万々歳です。

*こんどはアポロ13が見たい。全然関係ないけど。地質学者ってスバラシイ職業ですね。建築の次くらいに。

 地質学をじっくり学ぶと、建築と同じくらい、地質学が面白いことにきっと気づくはずです。おそらく。たぶん。

*地球はマグマが固まってできたんですよね? 月はどうやってできたのですか。もし地球と同じなら、重力は違うけど、月にも生物ができたのかもしれないですね。

 どうかなあ。月の問題は、表面にきわめて水が少ないことにあります。水なしで生命の誕生というのはきわめて難しそうな気がします。

*映画は、お話は単純だったが、おもしろかった。

*石にドラマがある

*ダイヤモンド持ってますか?

 知り合いの先生に分けてもらった標本があります。

*先生、今日はいつもに増して忙しそうで、お疲れさまでした。ちょっと早くてわかりづらかったけど…。(授業)石はおくぶかいものだと思った。こんなに深く鉱石について考えたのは初めてだ。

 鉱石→鉱物または岩石のことですね? 説明のための時間が足りなくて、大急ぎの説明になってしまって、わかりづらかったこと、ごめんなさい。次回補足します。

*地質学の面白さが理解できたような気がした。

*今回はとても面白かった。斜長岩の何が、古さを語るのか知りたい。

 もう一度、放射年代測定法の話をしなくてはいけませんね。建築ではまだやっていないかな。

*映画というかあのドラマがとても面白かった。月には地球にはない石とかあるのですか?

 月のマントルや地殻は、地球と比べて水や酸素が少なく、きわめて還元的です。そのため、地球と似た玄武岩でも、中に金属鉄を含んでいたり、地球にはない鉱物が含まれていたりします。

*映画には素直に感動した。おもしろかった。他に言葉がない。

*地質調査は自分が思っていたより楽しそうだった。やってみたい。

 やってみるという人が多ければ、初歩の部分はまとめて指導します。

*石のドラマがちょっとわかったような気がしました。

 これから(石ころに対して)温かい目で見てあげてくださいね。

*おもしろかったです。

*講義はあまりしませんでしたが、今日はVTRの話じたいが構成的におもしろかったこともありますが、すごく興味深くみていました。先生はよくフィールドワークに行かれているようなことをおっしゃっていましたが、この地球上でもとても地学とは奥深く学べるものだと思いました。今まで受けてきた講義と違って、なんだか生き生きとしていた、というか、教授も言っていましたが、「状況」を語っているんだろうな、というのが伝わりました。今度どこか野外授業にはつれていってもらえないんですか?

 野外授業は、何人か希望があるようなら、対応します。非常勤だとゼミのような正課教育にできないのですが、学生の自主的な課外学習ということであれば、問題はないでしょう。要望に応じて、アンモナイト採集、活断層見学、岩石採集、鉱物採集、地質見学など、いくつかパターンを用意できます。

 来年度、野外地学実習のゼミを開講できるといいのですが。希望は主任に伝えてあります。

*斜長岩(石)は白く輝いてきれいでした。一番古い(?)だか月ができた時代だかの最初のもののようなことを言ってましたが、あんなきれいなものが月面上にあるのはなぜですか? とゆーのは、ダイヤモンドは地面の中でしかとれないのに、斜長石はマグマオーシャンからで表面にできたんですよね。全然違うとはわかっているのですけど、富士山の噴火でマグマのかたまった石は黒いじゃないですか。ってあれはマグマじゃなくて熔岩だから? では斜長石は表面でできたのになんであんなに白くてまざりものがなさそうなんですか?

 富士山の熔岩も、よく見ると、小さい白い斜長石の結晶がぽつぽつと含まれています。マグマだまりの上部に斜長石が浮いて、大規模にたまると、真っ白な斜長石の集合体ができます。月形成直後のマグマ・オーシャンでも、マグマの中で結晶化した斜長石が、表面付近に浮いて集積したのが、あの斜長岩だと考えられるわけです。あまりに量が多かったのと、集積時に隙間のマグマが吐き出されたことで、混ざりものがほとんどない、きれいな斜長岩になったのでしょう。たぶん。

*月には風がないんですよね。ってことは、あの月面を移動するのに用いた車のタイヤのあとは、やっぱり風化して消えることは決してないんでしょうか?

 近くに隕石が落ちてクレーターを作るようなことがない限り、ずっと残るでしょう。

*今日のVTRでとても地学が面白そうに感じられました。先生の話ももっとしてください。

 自分の話は、いろいろと恥ずかしいもので、ちょっとねえ・・・。まあ、機会があれば、少しずつ。