薄片写真:フィジーの火山岩
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かんらん石の反応縁reaction rim
斑晶の多い(porphyriticな)玄武岩中のかんらん石斑晶にできた、反応縁(reaction rim)。単斜輝石の微細な結晶が、かんらん石斑晶の外側を覆って、かんらん石を置き換えつつある。
マグマが斑晶として結晶を晶出させながら冷却すると、液の組成が変化していき、ある温度で既に晶出したかんらん石が不安定になり、かんらん石は分解されはじめ、その条件で安定な輝石が晶出を始める。その入れ替わりが起きている状態を噴火によって凍結保存するとこのような現象が見られることになる。このような液と固相の関係を反応関係という。もし無限に時間があり、反応が完全に進行すれば、かんらん石は消滅し、かわりに斑晶として輝石が成長することになる。
玄武岩には斑晶にかんらん石が多く見られるのに、深成岩としてのはんれい岩に、かんらん石があまりみられず、斜長石+単斜輝石という組み合わせが多いのは、このような事情がある。→玄武岩中のかんらん石斑晶
写真の横幅はおよそ2mm
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石からわかること
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