カリ長石内部に石英が同時に成長する場合、多数の同一の結晶方位をもつ石英が、くさび形に挟み込まれるようになります。ペグマタイトの長石によく見られます。
オープンニコル。やや汚れた感じの”地”の部分がカリ長石。やや輪郭が浮き上がる透明な部分が石英。
クロスニコル。石英の方がわずかに高い干渉色を示し、この写真では黄色がかって見える。石英は組成が均一なこともあり、非常にクリアーな見かけをする。
石英の同時消光。くさび状になっている石英が、同時に成長した単一の結晶方位を持つものであることがわかる。
離溶組織 exsolution texture
高温で安定な固溶体組成を持つ長石が、温度が低下すると不安定になり、低温でも安定な2相に分離して離溶ラメラを形成する。固体中の拡散にコントロールされるため、冷却速度が小さいとラメラのサイズが大きくなる。
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