あんこ付きまんじゅうの皮=海洋地殻のマントルの破片 …オフィオライト


 今の日本に蛇紋岩やかんらん岩といった、マントルの破片(超塩基性岩体)がたくさん露出しています。

 日本は太平洋プレートや、それ以前のプレートの沈み込む場に位置しています。そうすると、大陸からの砕屑物や、沈み込む途中で剥がれたり、のしあげた海洋地殻や石灰岩、チャートなどがごしごし陸側に押しつけられて、成長してきたわけです。(+かこう岩などのマグマの供給もあります。)

 地球を薄皮まんじゅうだとおもうと、その皮がむしられてぎゅうぎゅう押しつけて固めたものが、いまの日本の骨格をつくっている。ところが、薄皮をむしるときに、その下のあんこも少しくっついたままむしってしまって、皮と皮の間にあんこがはさまってしまったわけですね。それがちょうど蛇紋岩やかんらん岩の、細長い岩体だと思えばいいわけです。

*国内の超塩基性岩体の分布図(予定)

 かんらん岩などの超塩基性岩は密度が大きいので、地表にそれが露出しているというのは非常に不自然なことですね。もっと密度の小さいかこう岩類などが「浮いて」いて、地表に露出しているのがあるべき姿と思えます。

 それでも地表にかんらん岩が露出しているということは、無理矢理のしあげたり、はさまったりして出てしまったものだと思えばいい。はんれい岩が地表ではあまり見られないのも、密度が大きいことが大きな原因になっていると思います。下部地殻にははんれい岩やその変成岩がけっこうあるようですから。


嶺岡林道の蛇紋岩

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