台湾は日本と似て沈み込み帯に位置し、比較的新しい時代の変成岩を産する。採集したのは海岸のレキとのこと。興味深い。
粘板岩slate。薄い砂泥互層が弱い変成作用を受けている。層理面ではなく、スレート劈開(へきかい)の方向に割れるので、このような砂と泥の縞模様のよくわかるレキができる。
結晶質石灰岩crystalline limestone。石灰岩が変成作用でかなり粗粒の方解石の集合体になっている。
本当かって? だいじょうぶ。塩酸つけてみたもんね!。ぶくぶく泡が出ます。
これも結晶質石灰岩。不純物(硫化鉱物など)の多い部分が黒い色の帯になっている。
石墨graphiteを含む片麻岩gneiss? 銀色に劈開面で光っているのが石墨。珍しい。
緑色片岩greenschist。白い脈は方解石calcite。
緑色片岩というのは立派な分類名で、緑泥石、緑簾(りょくれん)石、アクチノライト(透緑閃石)、斜長石などの鉱物組み合わせを特徴とする、玄武岩〜安山岩の化学組成を持つ、変成岩の総称。地下5〜20km、300〜400度の条件を示す。
角閃岩〜ザクロ石角閃片岩(garnet) amphibolite
同じく玄武岩〜安山岩の化学組成を持つ岩石の変成岩。緑色片岩よりも変成度の進んだもの。およそ地下10〜30km、500〜600度程度の条件を表す。ざくろ石garnetは圧力がより高い条件で出現。
同上 拡大。
藍閃片岩glaucophane-schist?。低温高圧の変成岩。地下20〜30km、300度くらい。
石英片岩quartz-schist。層状チャートが変成岩になったもの。細粒の石英からなり、少量の白雲母を含む。
角閃岩(角閃片岩)?。
拡大したもの。斜長石の多い部分と角閃石の多い部分が、色の濃淡の縞をつくっている。
<余談>
1)沈み込み帯にできる地質構造 −付加体
ここに出てきた岩石は、日本でも見られるような組み合わせを持っています。
2)玄武岩質岩石からできる変成岩のいろいろ