熊本城の石(広瀬君)
たまたま落ちていた石を拾ってきたとのこと。地元の石を使っているのかな?
斑晶がたくさん見えるので、火山岩であることがわかる。白い点々が斜長石斑晶
その拡大。有色鉱物には2種類の輝石(普通輝石augite、しそ輝石hypersthene)がわかる。岩石名は複輝石安山岩。阿蘇火山のものか?
中央付近の白く目立つのが、斜長石の斑晶。黒い粒が輝石だが、写真でずんぐりしたもの(普通輝石)と、細長いもの(しそ輝石)の区別がつくだろうか。
<余談>
九州の北半分は、阿蘇火山の噴出した火砕流堆積物が覆っていると言っても言い過ぎではありません。高千穂峡に見るように、その火砕流堆積物の下部は、熔結して硬い岩石になり、溶岩流のように見えるところも多いのです。
石垣の破片である、この岩石の由来については、まだ資料を見ていないのでわかりませんが、阿蘇火山と関係があることも充分に考えられます。
なお、雲仙−阿蘇−久住をつなぐ火山の列は、沖縄トラフから連なる地溝帯(リフト地帯)であるという考えがあります。阿蘇の巨大なカルデラも、これと関係があるかもしれません。最近のGPS測量の結果はリフトの存在を裏付けているようです。→国土地理院のページ