屏風ヶ浦の海食崖と不整合


 宇多さんの運転で、屏風ヶ浦の海食崖や飯岡町周辺を案内していただきました。写真は日本財団の吉田さんに提供していただきました。

 屏風ヶ浦の海食崖の様子。第四紀前期?の上総層群の凝灰質シルト岩〜砂岩の絶壁。

 海食崖上部には、斜交層理が顕著な海成砂層が不整合でのり、さらに陸成のローム層へと移行する。ロームの平均堆積速度から逆算すると、おそらく約12万年前の高海面期(下末吉海進)以降、陸化してロームが堆積したものと推定できる。

 海食崖の不整合部分にはとりつけないが、崖から落下した転石で、その不整合面の境界を観察できる。凝灰質シルト岩に穿孔貝の生痕があり、それを覆って砂の層が堆積しているのがわかる。さらに50cmほど上位に貝化石の密集層があり、その周辺にはサンドパイプ様の生痕化石も多い。

 上面から見たサンドパイプの様子。

 サンドパイプ部分の拡大。

 貝化石の密集部。これも転石。

 屏風ヶ浦の海食崖を上から見る。上面は畑地になっている。不整合面の上部のローム部分は固結が弱いからか、ややへこんでいる。不整合面直上の貝化石密集層が白く見える。

 同上拡大。貝の種類はきちんと確認していない。

 砂層とローム部分の拡大。ここでは東京軽石層は確認できなかった。砂層が茶色のロームの色をしているのが興味深い。海成砂層なら、現在の屏風ヶ浦のようにもっとクリアーな灰白色の砂になりそうなものだが。


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