地学 2学期期末試験F1G 解答

1999.12.14(火曜)2限実施 萩谷出題

 

1

 2 3 3 1

2問 

 3 3 4

3問 

 3 4 2 1

4問 

1)玄武岩という岩石は、どのような岩石であるか、簡潔に説明せよ。

 SiO2重量%が45〜52%の間に入る、斑状組織(または無斑晶質)を示す、火山岩。

 (地球でもっとも多く出現する火山岩であること、地球型惑星でもっともふつうにみられる火山岩であることなどを述べても可。)

2)月の斜長岩は、月の形成におこった、どのような現象の証拠と考えられるか、説明せよ。

 マグマ・オーシャンの証拠

3)マグマ中で晶出した結晶と、残液(マグマ)との分離により、マグマの化学組成が連続的に変化する作用の名称を、選択肢Aから選んで答えよ。

  また、その化学組成の変化が起こるために必要な、結晶とマグマに関わる条件は何か、選択肢Bから2つ選んで説明せよ。

 選択肢A:結晶分化作用

 選択肢B:密度の差、大きい重力

4)放射年代を求めるしくみを簡単に説明せよ。

 238U, 235U, 232Th, 87Rb, 40K, 14Cなど、 特定の種類の原子核(核種)はそのままでは不安定で、核種ごとに決まった割合で壊れ、別の原子核に変わっていく。 これを利用して、鉱物が形成されてからの経過時間を求める。

5)アポロ計画の宇宙飛行士が、単に岩石試料を採取するだけの目的であれば必要のない、岩石の見方や記載の方法を学んだのはどうしてか。その必要性を説明せよ。

 岩石は、どのような産状を示しているかという情報があって、はじめてその地質学的な意味が明らかになる。月面は二度と調査にいけない場所であるから、 試料を採取する際に宇宙飛行士がその場で採取すべきものを判断したり、産状を記録し、その試料が持つ情報を伝えなくてはいけないから。

6)無人探査機による惑星探査と、アポロ計画のような有人探査の違いについて、それぞれのメリット・デメリットを説明せよ。

 無人探査・・・費用が安い、人命の危険がない、厳しい条件にも耐える。(メリット)
        遠隔操作なので故障や予期しない事態に対処しにくい。サンプルの持ち帰りが難しい。(デメリット)

 有人探査・・・サンプルの採取や、実験・観察の自由度が大きい。(メリット)
        費用がかかる。重量がかさむ。人命を危険にさらす。(デメリット)

5問 設問A,Bの両方を答えよ。

A)地球上で火山の分布は限られていて、それはマグマの発生する条件が関係していると思われている。マグマの発生するしくみについて、

1)マントルのかんらん岩にH2Oが含まれていない場合

2)マントルのかんらん岩にH2Oが多く含まれている場合

  のそれぞれについて説明せよ。必要があれば、地殻及びマントルの岩石の融点(融けはじめの温度)と、地下の温度分布を表した、温度と圧力(深度)のグラフを描いて説明してもよい。

 

 

B)マントルのかんらん岩が部分融解するときには、融けはじめの温度と融け終わりの温度に差があり、その中間の温度では、液と結晶がある割合で混ざって存在している。

 これに関連して、以下の記述で正しいものには○を、正しくないものにはその部分を抜き書きして、解答欄に記入せよ。

 

1)マントルのかんらん岩は、かんらん石という鉱物のみからなる岩石である。

2)一定の融点を持たないのは、かんらん岩が純物質ではなく、混合物だからである。   ・・・○

3)融けかたの度合いによって、液(マグマ)の化学組成は変化する。   ・・・○

4)マントルのかんらん岩の部分融解でできたマグマが上昇し、固結することで、地殻がつくられている。   ・・・○

5)マグマの密度は一般に周囲の岩石よりも大きい

 

6問 地震の震度とマグニチュードの違いについて簡潔に説明せよ。

 

7問 岩石と鉱物の違いについて説明せよ。

 

8問 地球上の岩石の多様性はどのようにしてつくられたか、簡潔に説明せよ。

 

以上

 問題文