1997.4.11実施 7回目〜
地学を学ぶ意義
身の回りの自然を知る
人間の知識のフロンティア。生きているフデイシの発見、銀河の中心にブラックホール、ハッブル定数から求めた宇宙の年齢。球状星団の年齢の不一致。
まだまだわかってないことがたくさんある。だから面白い。
人間生活に役に立つ知識
自然災害に対する知識、資源、環境、……。
→商業の1回目へ
地学に対する認識の低さを嘆く。日本の高校はすべて地学を必修にすべきではないか。地学という名前にこだわらなくても良いから。雲仙の火山災害、神戸の地震災害などは認識の低さの現れだ。
地球のかたち、大きさ
地球は丸い…現代では常識。しかし、その認識は比較的新しい。
例:コロンブスの“新大陸”発見(アメリカ大陸の先住民族にとってなんと失礼な言葉か!でも、日本人もアイヌ民族に対して迫害したことを忘れてはならない。また、日本人そのものがいろいろな時代に大陸から渡ってきた人々の集合であるということ。)
地球が丸いことをどうやって証明するか、考えて見よ。
月食で地球の影が丸く写るから丸い…ほんとかな? 地球と月の位置関係 月の半径分のでこぼこは無視しうる。よって影のかたちを説明に使うことはよろしい。
日食と月食は違うのではないか。地球と月の大きさの違い…月面上で見た地球食はどんな見え方?
1997.4.12実施
地球のかたち、大きさ
地球のかたち だんだん詳しく見ていこう!
球→回転楕円体→ジオイド→実際のでこぼこ
エラトステネスの測定
太陽高度、同じ日(夏至)に測定、7.2度の差=900km 360度では 地球の全周の長さ。
応用:紀伊半島の海岸から、富士山を望むと8合目(3000m)より上の部分だけが水平線上に見えた。富士山までの距離を300kmとして、地球の全周または半径を求める
ジオイド…平均海水面を延長して地球を覆う平面を考える(地形の凹凸をならして海だけの地球を考える)
地球楕円体 ジオイドにもっともよく合うように決めた回転楕円体
回覧物:ハワイ島の玄武岩、かんらん石
1997.4.18実施
地球のかたち、大きさ (続)
地球表面のでこぼこ
高い山や山脈があり、深い海がある。
固体地球表面の高度分布(横軸に面積)…バイモーダル
他の惑星(ユニモーダルな分布)と比較
なぜ、そうなるのか? →風景にはすべて理由がある
海洋島、海山、海溝、海嶺、山脈、平野、…。
地球の層構造
大陸地殻と海洋地殻の違い 大陸地殻が(マントルの上に)浮いている
密度の違い(材料の違い。花崗岩とはんれい岩)→アイソスタシー
厚みの違い どのくらいちがう?
*大陸地殻の厚みを決めるものは何か?
プレートテクトニクスの認識 地下構造の情報、他の惑星の知識
1997.4.19実施
地球の層構造
地球の表面重力
表面重力は一様ではない。…遠心力の効果で低緯度ほど小さい、高い山、重力異常…
例:ロケット打ち上げ基地は、より低緯度のところに作る。種子島、ケープカナベラル、
…より打ち上げに必要な燃料を節約する。打ち上げ方向も自転速度が加わるように計算。
地表で地球の質量を求めることができる!
地表の物体に加わる重力
f=mg
g:地球表面の重力加速度、9.8m/s2
万有引力の法則
f=GmM/R2
G:万有引力定数6.7×10-11 M:地球質量 R:地球半径6.4×106(m)
この2つの式からMを求める。
f=mg=GmM/R2 両辺のmを消去できるので、
M=gR2/G=9.8×(6.4×106)2/6.7×10-11=6.0×1024 (kg)
1997.4.25実施
(前回の復習から)火星の質量を求める
超新星爆発について説明せよ、とのリクエストに応えて…
元素合成、太陽系の起源
恒星の大きさ・・・内部の核融合による放射圧と重力とのつり合いできまる
宇宙の最初:ビッグバン宇宙論、初期の元素合成は水素とヘリウムがほとんど
余談:ハッブル定数と球状星団の星の年齢が合わない → 宇宙の年齢の再検討
1997.4.26実施
今日の要点
太陽系の天体のいろいろ…材料物質は共通
太陽系の天体にはどんなものがある?
太陽(質量のほとんどが集中)惑星(地球型=石と鉄の惑星、木星型=ガスの惑星)、衛星、彗星、小惑星、隕石、…
それぞれの天体は何でできているか…調べる方法
分光観測・・・スペクトル、元素特有の暗線/輝線で何があるかわかる
探査機、直接試料採取(月)、
構成物質の違いはどうして・・・太陽からの距離に意味がある?
地球型惑星:水星、金星、地球(+月)、火星、小惑星。(内側)
木星型惑星:
氷惑星、彗星(汚れた雪だるま)